【永久保存版】IP68ってなに?MIL規格ってどういう意味?

IP68とMIL-STD-810Hを解説するガジェオタもも風アイキャッチ ガジェット

スマホのスペック表でよく見る「IP68」とか「MIL-STD-810H」。

なんとなく「防水で頑丈なんでしょ?」で終わりがちだけど、実はこの2つ、見ているものが全然違います。

しかも、IP68だから海で使ってOKでもないし、MIL-STD-810Hだから米軍のお墨付きという意味でもありません。

ここ、スペック表を読む時にかなり大事なので、今回はスマホ目線で分かりやすくまとめます🍑

IP68とMIL-STD-810Hを解説するガジェオタもも風アイキャッチ

まず結論:IPとMIL規格は別物

IP規格は、主にホコリや水が中に入りにくいかを見る規格。

MIL-STD-810Hは、温度・湿度・振動・衝撃など、さまざまな環境ストレスに対する試験方法をまとめた米国国防総省系の規格です。

なので、ざっくり言えば、

  • IP68 → 水とホコリにどれくらい強い?
  • MIL-STD-810H → 過酷な環境にどれくらい耐えられるか、どう試す?

という違い。

IP68の「6」と「8」は何を意味してる?

IPコードはIEC 60529という国際規格で定められています。

たとえばIP68なら、最初の6が固形物・粉塵への保護、後ろの8が水への保護を表します。

表示 意味
IP6X 最高クラスの防塵。粉塵の侵入を防ぐ
IPX8 継続的な水没に対する保護。深さ・時間などの条件は製品側で定められる
IP68 IP6XとIPX8の両方を満たす

ここで大事なのが、IPX8=絶対に水深1.5m・30分ではないこと。

IPX8はIPX7より厳しい水没条件で試験されますが、具体的な水深や時間は製品ごとの条件を確認する必要があります。

スマホでは「真水・静水・水深1.5m・30分」のようにメーカーが条件を明記していることが多いです。

IP67・IP68・IP69の違い

等級 ざっくり意味
IP67 防塵+一時的な水没への保護
IP68 防塵+IPX7より厳しい条件での水没への保護
IP69 防塵+高圧・高温の噴流水への保護

数字だけ見ると「69が68の完全上位」に見えるけど、水没試験と高圧噴流水試験は別物です。

なので本当に両方に対応している製品は、IP68 / IP69のように併記されることがあります。

同じ理由で、IP68だから必ずIP65やIP66の噴流水試験まで全部クリアしている、とは限りません。

「IPX8」「IP6X」のXって何?

Xはその項目の等級を示していないという意味です。

  • IPX8 → 水の等級は8。防塵等級はこの表記だけでは分からない
  • IP6X → 防塵等級は6。耐水等級はこの表記だけでは分からない

SonyのXperiaでは、IPX5 / IPX8、防塵IP6Xのように試験内容を分けて表記することがあります。

たとえばXperia 10 VIIIの記事で出てくるIP65/68も、この考え方で見ると意味が分かりやすいです。

じゃあIP68ならお風呂・海・プールも大丈夫?

ここは「大丈夫」と考えない方がいいです。

多くのメーカーが試験条件に使っているのは真水・静水・管理された実験室環境。

海水、プールの塩素、温泉、石けん水、洗剤、アルコール、熱いお湯、高い水圧などは別条件です。

さらに防水性能は永久ではなく、落下や傷、経年劣化、分解修理などで低下する可能性があります。

AppleもSamsungも、耐水・防塵性能は永続的ではないと案内しています。

つまりIP68は「水中撮影して遊べる保証」ではなく、事故で濡れた時の耐性を高めるものくらいに考えるのが安全です。

MIL-STD-810Hって何?

次にMIL規格。

正式にはMIL-STD-810で、米国国防総省の環境試験に関する規格です。

現在スマホでよく見る「H」は強さのランクではなく、規格の改訂版を表しています。

なので、MIL-STD-810Hの「H」が高いほど頑丈という意味ではありません。

米国防総省の公式文書では、MIL-STD-810は特定製品に一律の設計仕様を押し付ける規格ではなく、実際の使用環境に合わせて試験方法を選ぶ環境テストの方法論として位置付けられています。

MIL-STD-810Hで試すものは1個じゃない

MIL-STD-810Hには、いろいろな環境ストレスに対する試験方法があります。

  • 高温・低温
  • 温度変化
  • 低気圧
  • 湿度
  • 雨
  • 砂・粉塵
  • 振動
  • 衝撃
  • 落下に関係する試験

ただし、MIL-STD-810H対応と書いてある製品が、規格内の全試験を全部やっているとは限りません。

メーカーが製品の想定用途に合わせて、特定のカテゴリ・手順を選んで試験するケースがあります。

「米軍お墨付き」ではない

ここはかなり誤解されやすいところ。

MIL-STD-810H準拠=米軍がそのスマホを認証した、ではありません。

米軍向けに作られた試験方法を使ってメーカー側が耐久性を確認している、という理解の方が近いです。

さらに、同じ「MIL-STD-810H」と書いてあっても、メーカーAとメーカーBで試験項目・条件が違う可能性があります。

だからスペック表を見る時は、「MIL対応」の4文字だけでなく、何項目をどう試験したかまで分かるとより確実。

落下試験も「何mから落としてもOK」ではない

MIL規格というと「1.2mから落としても平気!」みたいな売り文句を見かけます。

でもMIL-STD-810H自体が、すべてのスマホに共通してこの高さから落とせば合格と決めているわけではありません。

試験方法・手順・姿勢・回数などの条件があり、製品ごとに実施内容が変わります。

なので「MIL規格=落としても絶対壊れない」とは考えない方がいいです。

IP68+MIL-STD-810Hならどう見る?

この2つが両方ある機種は、水・粉塵への保護に加えて、環境耐久性も意識して作られていると見ることができます。

motorola edge 60の防水防塵と耐久性イメージ
motorola edge 60は日本版でIP68とMIL-STD-810Hに対応。画像:Motorola公式

たとえばmotorola edge 60は、日本向けモデルでIP68 / MIL-STD-810Hをうたっています。

Motorola自身も、MIL-STD-810Hについて選択されたカテゴリと手順で試験していると説明していて、試験条件下での将来の性能を保証するものではない、と明記しています。

この書き方、かなり大事。

「耐久性を確認している」ことと「何をしても壊れない」ことは別です。

スペック表で見る時はここだけ覚えればOK

  • IPの1桁目 → 防塵・固形物
  • IPの2桁目 → 水
  • IP68 → 防塵+水没への高い耐性。ただし条件確認必須
  • IP69 → 高圧・高温噴流水。IP68とは別種類の試験
  • X → その項目の等級を示していない
  • MIL-STD-810H → 米国防総省系の環境試験方法
  • H → 強度ランクではなく改訂記号
  • MIL対応 → 米軍の認証や「絶対壊れない保証」ではない

ももの結論🍑

スマホの耐久性を見る時、IP68とMIL-STD-810Hはどちらもちゃんと意味がある。

ただし、数字や「MIL」の文字だけを見て、

「水に入れても平気!」
「軍用だから絶対壊れない!」

まで飛躍するのは違います。

IPはどの試験条件での耐水・防塵かを見る。

MILは何の試験を、どの手順でやったかを見る。

ここまで分かれば、スマホのスペック表に「IP68 / MIL-STD-810H」って書いてあっても、もう「MIL何?」にはならないはずです笑

よくある質問

IP68なら水洗いしていい?

メーカーが明示していない限り、積極的な水洗いはおすすめしません。特に洗剤・石けん・高圧水は試験条件と違う可能性があります。

IP69ならIP68より完全に上?

完全上位とは言えません。IPX8は水没、IPX9は高圧・高温の噴流水という別の試験です。両対応ならIP68/IP69のように併記されることがあります。

MIL-STD-810Hならケース不要?

そこまでは言えません。試験合格は破損しない保証ではなく、画面やカメラレンズなどは普通に傷・割れのリスクがあります。


参考情報・出典

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